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うるしは天然の素材です

うるしの木と産地について

漆の木の画像

 漆の木は東南アジア各地に存在し、漆科の植物は600種もあるといわれています。 その中でも樹液が採取出来るのは漆属の数種であり、それぞれにその地域で利用されています。 産出国によりその樹液も成分が異なる為、地域固有の製品が作られています。
 
日本国内の樹液産地としては、青森、岩手(南部産)、栃木(常陸産)、京都(丹波産)等が挙げられます。 ただ、生産量としては極々少なく(掻き手(生産者)の不足)とても高価な物なので、 国産と言えども95%以上の製品は中国産漆を使用しています。最後の仕上げだけ、国産漆を使用する場合もあるようです。 また地方によって、製品の特色は様々です。

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本物のうるしとニセモノ(?)のうるし

サラダ椀の画像

  「うるし塗り」というと私達は、朱色や漆黒のお椀などを頭に浮かべる事が多いのではないでしょうか。 そして、価格には驚くほど幅があります。極端に安価な物の中には、化学塗料で加工してある物も見られます。 それらは、「ウレタン塗装」などと表示されているものが多い様です。 表記の無いものについては、確認された方が良いかもしれません。
 
 通常、食器から家屋まで、一般的な塗料を乾燥させるためには溶剤を揮発させなければならず、 いわゆるシンナーや有機溶剤、水分を空気中に垂れ流す事になるのです。 最近では、シックハウス症候群などの問題も出てきています。
 うるしの場合は、乾燥の過程で固化(固まる)していきます。 樹液の主成分はウルシオールで、ラッカーゼと言う酵素が0.2%程度含まれます。 この酵素が空気中の酸素を取り込みラッカーゼを高分子樹脂に変化させ固化していくのです。 この高分子樹脂が耐久性の高い膜となり、うるし独特の質感を生み出します。

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抗菌作用と凝固作用

曲げわっぱ弁当の画像

 うるしは古くより中国では漢方薬として用いられてきました。 血行促進・胃酸過多・虫下し等の効果があるとされ、 現在でも漆掻き(採取)の人は山の中でうるしを掻いている最中に腹痛を起こすと樹液を少量飲んで収まるといいます。 「漆に接した大腸菌が24時間後に死滅する」という研究結果も報告されています。 天然素材でも体に有害なものが無いわけではありませんが、うるしについてはその心配は無い様です。
 
 漆の木は、樹皮が傷ついた時に樹液を出して傷口を覆い固め、自らの身をまもります。 昆虫やカビなどの菌が侵入するのを防ぐためと考えられています。 漆には様々な用途とアイテムがありますが、中でもこれらの抗菌性と凝固性を兼ね備えた特徴を食器に用いるのは非常に理にかなっているのではないでしょうか。
 一方で、漆と言えば「かぶれ」を連想される方も多いと思いますが、乾燥している製品の状態であればほとんどの方は心配いりません。

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うるし製品は生涯の友

眠り猫画像

漆器(陶磁器も)は、割れてしまっても金継ぎという技法や塗直しによって、修復が可能です(修理は軽度な状態のうちに行いましょう)。 よって、場合によっては何代にも引継いで使用していく事が出来るのです。 電子レンジには使用出来ませんが、熱い汁などを注いでも冷めにくく、冷めてしまっても驚くほどご飯やおかずを美味しくいただく事が出来ます。 紫外線に弱い、水に長時間つけてはいけないなどの使用上の注意点もありますが、ほんの少しの気遣いで心地良い生活を送る事が出来るのです。
 
 物を長く使う事を視野に入れておくと愛着がわきますし、自然と物選びが慎重になり美的センスが磨かれていきます。 結果、購入単価は上がるかもしれませんが、生活全体を考えると必然的に無駄な支出は減っていくのではないでしょうか。
また、リサイクル・リユースにつながり、ゴミを減らす事が出来ます。捨てる際にも土に還せるのです。 社会全体をとおしてみても、ゴミを捨てる際や再利用する為にかかる不毛な経費の大幅な削減が可能になるでしょう。

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